自然栽培への想い

土に触れ、自然と向き合うなかで、「僕らは自然に生かされている」そんな当たり前のことを、何度も実感しました。

それなのに、その自然を壊すようなやり方で、本当に農業と言えるのだろうか。そう考えるようになり、農薬や化学肥料に頼らない、自然栽培という道を選びました。

自然は、思い通りにはなりません。だからこそ、よく観て、よく聴いて、よく考える。正解のない毎日のなかで、土と向き合い続けてきました。

うまくいかないことの方が、ずっと多かった。それでも、「おいしい」「このやり方で続けてくれて嬉しい」そんな言葉をもらえる瞬間が、何よりの励みになっています。

僕がこの畑を通して目指しているのは、人も野菜も、見た目だけで判断されない社会です。

野菜にも、人と同じように無数の個性があります。形や大きさ、色の違い。それぞれの環境のなかで育ち、その過程すべてが、味わいになります。

“他と違う”ことは、弱さではなく、可能性。農業というフィールドから、そんな個性を祝福できる文化を、少しずつ育てていきたい。

この畑から生まれる野菜と物語が、誰かの心を、そっと耕せたら。それが、いまの僕の願いです。


この畑から生まれた味わいを、日々の暮らしの中で、静かに味わってもらえたら嬉しいです。