農園主の想い

畑を始めた理由を、
特別な言葉で語れるわけではありません。

ただ、自分が毎日食べたいと思えるものを、同じように届けたい。
その気持ちだけが、ここにあります。

畑では、同じように育てていても、
形や大きさがそろわないものが生まれます。
それは失敗ではなく、自然の中では、ごく当たり前のことです。


一般的な流通では、野菜は見た目や大きさで選ばれます。
けれど、それらが味や品質を決めるわけではありません。

少し曲がっていたり、大きさがそろっていなかったり。
それだけの理由で、食べられるものが行き場を失ってしまう。
その現実に、私は違和感を覚えました。


だから、見た目だけを理由に選別することはしません。
味わいが整っていること。
安心して食べられること。
その基準を満たしていれば、形や大きさは問いません。
それは特別な取り組みではなく、農園として自然な判断だと思っています。


畑での選択は、正解かどうか分からないことばかりです。
効率が良いとも、簡単だとも言えません。
それでも、自分が信じられるやり方で育てたものを、
同じように信じて選んでもらえたら。
それ以上のことは、望んでいません。


この畑から生まれたものが、
誰かの一日に、静かな安心を添えられたら。
それだけで、この場所を続けていく理由になります。